英国ボソボソ暮らし

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青空のことについて

先日ぐずついた朝が午後になって天気がよくなったので犬を連れて近くの丘に散歩にいってきました。

Blue_SkyIMG_1417.jpg

夏の青空は暗いじめじめとした冬とは対照的な空です。よく晴れた青空は写真に撮ると緑の草とともにとてもよく映えます。なにより気持ちが晴れ晴れとします。これは万人に共通の気持ちです。心にしみる音楽、美味しい食べ物、美しい装飾。おおかたの人に受け入れられる、なにか普遍的な美・爽快さとでもいうものがこの世の中にはあるのでしょうか。青空もそのひとつです。こんなことを考えるとき、いつもひとつの話を思い出します。

英国にきて間もないころ夜間の英語クラスにいっていたときの先生の話。もう名前は忘れましたが彼女は長い間、南アフリカで学校の先生をしていたそうです。教室でお会いしたときは50代半ばに達していたでしょうか。かなり長く南アフリカで生活をしていたようです。その前年くらいに英国に戻ってこられたそうですが、その理由は「長年南アフリカの青空の下で暮らしていると英国の気候が恋しくなってくるのよ。毎日毎日、青空でしょ。どこを見ても青い空ばかり。あまり変化がないの。歳をとってくるとイギリスのじめじめした空が恋しくなってしまって、オホホ」としみじみと語っておりました。

そのころはまだ実感としてはいまひとつ分かりませんでしたが、このごろはそのことが良く分かるようになってきたきがします。そうなんですね、この人にとっては、故郷のどんよりとした曇り空が、理屈を超えた心のなかの領域で、生き続けているんですね。たんに美しいということを超えた何かとしてこの人のなかに存在しているんですね。生まれ育った風土への愛着が、無意識となって心の奥深くに刻み込まれているんですね。三つ子の魂百までとは、よくいったものです。

日本の場合もかなり強烈な文化・風土をもっています。それがわたしたちの無意識の領域に沁みこんでいます。価値観のようなものも違います。小さいときに移り住んだ場合はそれが弱いので、新しい風土に順応していけます。大人になってから移り住んだ場合は、そうはいきません。程度の差はありますが、これらの違いはおそらく超えられないものです。頭で、理屈で、解決していく問題ではないので、ほとんど順応しきれないものがあります。とはいっても、幼い子供の場合は順応していきます。大人の場合も長年住んでいけば無意識のうちに少しずつ変わっていきます。そのとき、アイデンティティが変わります。「なにじん」になっていくのでしょうか。ひとは周囲の人と喜びや悲しみ、美味しさ、美しさ、価値観を共有していかないと生きていけません。

最近ある人から、ひとつの祈りの言葉を教えてもらいました。
God grant me the serenity
To accept the things I cannot change;
Courage to change the things I can;
And wisdom to know the difference.
神様、どうか私に
「自分にはどうすることもできないもの」を受け入れる平静と、
「自分が変えられるもの」に立ち向かう勇気と、
そして、その2つの違いを理解できる賢明さを与えて下さい。

これが、お互いが異文化の中で生きていくための智恵なのかもしれません。



注: これはメアリーさんの訳です(http://wonderlandmexico.blog126.fc2.com/blog-entry-18.html)。お声をかけてあげてください。


テーマ:イギリス生活 - ジャンル:海外情報

  1. 2009/08/21(金) 09:08:35|
  2. 日記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:9
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コメント

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  1. 2009/08/21(金) 21:16:13 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集 ]

ヘッジホッグさん、
あまりにも文章が美しく的確な表現なので、まずそちらの方に感動してしまいました。

何からコメントしたらいいのかしら、、、、
>そのころはまだ実感としては、、、
実は私もそうなんです。
この国に暮らし、つい最近までホームシックにかかったことはないのですが、今私が感じているそれは、やはり一種のホームシックなのかもしれません。
こちらに長く住んでいる方々から、「やはり死ぬときは生まれ育った場所で」という言葉を聞きくたびに、私はどこで死んでもそんなことは気にしないと思っていたのですが、、、、。

そのとおりだと思います。
主人は、日本は地震があるし、狭いし、夏は猛暑だし、、、暮らしにくいと国だと言います。
この強烈な文化・風土 を持っている日本と比較して、確かにイギリスは天災も少なく穏やかで
美しい国です。  でも、
>生まれ育った風土への愛着が、無意識となって心の奥深くに刻み込まれている。
もう実にその通りだとなのだと思います。

>「なにじん」になっていくのでしょうか?
もうどこに住んでも馴染めない中途半端な人種になっているのかもしれません。

鮭が生まれたところに帰ると同じように、私もいずれはそうしたいと願っているのだと思います。
私の場合「青い鳥」は生まれ育った日本にいるのかもしれません。
なにか支離滅裂なコメントになってしまいました。ヘッジホッグさんのように表現力豊かになりたいです。

メアリーさんのところにもおじゃまいたしました。
  1. 2009/08/22(土) 07:10:49 |
  2. URL |
  3. maribaba #kSiDTJS6
  4. [ 編集 ]

ヘッジホッグさんはおわかりになっていると勝手に思っているのですが、
先日の私の記事、「ふるさと」は、私が生まれ育った日本のことを指している
のではないことを先に申し上げておきますね。

私のように、過去生で幸せに暮らした国々をひょうひょうと漂っている人間に
とっては、今ひとつきちんとこちらの記事にコメント出来ないでいます。
私がヘッジホッグさんやmaribabaさんの年齢になった時に、もう一度、
こちらを読ませていただきたいと思います。
その時に、どんなコメントをさせていただくのかなぁ(笑)。
  1. 2009/08/22(土) 09:20:43 |
  2. URL |
  3. ロビン #2sQQXnjA
  4. [ 編集 ]

幸せとは。。

病をかかえている家族がいます。
それは「自分にはどうすることもできないもの」でもあり、「自分が変えられるもの」という部分もあわせもっています。
なかなか晴れ晴れとした気分になれないでいます。その中でなんとか幸せな時間を持とうと努力しています。

新盆のお施餓鬼の時に、お坊さんが自分の親友とその家族全員それぞれの人が亡くなってしまった悲劇を話して下さいました。そのことがきっかけで、仏門に入られたのだそうです。「思うようにならないのが人生です。」とおっしゃいました。その言葉を聴いて肩の力がフッと抜けました。

ヘッジホッグさんの今の環境は非常に恵まれていて、そして御自分の居場所をしっかりきづかれていらっしゃるように感じます。
私も「歓びや悲しみ、美しさ、美味しさ、価値観」を共感できる人たちを、今よりも多く持てるようにしたいと思いました。
  1. 2009/08/22(土) 11:15:45 |
  2. URL |
  3. チロチャン #-
  4. [ 編集 ]

maribabaさん

拙文でも、文章を褒めていただくことはとっても嬉しいです(笑)。

考えてみたら、交通手段があまり発達していなかった日本の200年くらい前でしたら、藩のそとは「外国」でしたね。他の藩に嫁入りした人たちは、みなこのような感慨を持ったんでしょう「もう一生親には合えないかも」と。この意味で、かりに私たちが毎月日本と行き来ができるとしたら、この感慨もだいぶ違うものになってくるのではないでしょうか。メンタルな意味では、インターネットはだいぶ助けになっているように感じます。

「なにじんになっていくか」ということは微妙な問題です。ヨーロッパ圏では歴史的に見てたとえばドイツから英国王室に入ってきたりしているように、また民衆レベルでも混ざり合っているように、自分の民族性を「捨て」て別の民族になるという考え方は、日本人に比べるとはるかに薄いのではないでしょうか。同じキリスト教圏だというのも強く影響しているとも思います。この意味で宗教性はほんとうに強いとつくづく思います。

宗教のように、何かの強い共通項があると、ひとってけっこういっしょに混ざり合って行けるものだと思います。以前に東京で外人参禅会なるものを10年以上世話していたことがあります(家内といっしょに)。こういう人たちと長く付き合っていると人種の違いをあまり感じなくなってくるものです。ヨーロッパで茶道を長年やっている人たちがいます。こういう人たちも、あまり隔たりを感じません(私の場合ですが)。おもしろいですよ、この人たちは和服をどうどうと着ていますから。ただ、ひとりの人がいっていました「茶道をやっていると親戚から変な目で見られるんだ、なんであんなものを続けているんだって」と、ぽろっといっていました。おもしろいですね、わたしたちには見えない隠れた困難があるんですね。

こういう人たちを見ていると、けっこう精神的に日本文化にのめりこんでいるなあと思います。「中途半端な人種」というのとは明らかに違います。わたしたちがこちらに長く生活していると、たしかにそのように思える側面もありますが、かりにこのような立場を「文化の架け橋」という目で見れば、程度の問題はあるとしても、どうしてどうして「中途半端」とはいえません。問題は、その経験を活かせる場があるかということのように思います。文化といわなくても、自分を何によって正当化できるかということなのかもしれません。

人生は結果ではなくてプロセスそのものに意味があるのだとすれば、「中途半端だ」と感じるそのこと自体がひとつの人生なのではないでしょうか。そういう自分もありなのではないでしょうか。スコットランドで終わるにしろ日本の故郷で終わるにしろ、どうしなければいけないということはありません、なにしろプロセスが人生なのですから。
  1. 2009/08/23(日) 05:37:53 |
  2. URL |
  3. ヘッジホッグです #hb5ArteM
  4. [ 編集 ]

ロビンさん

>先日の私の記事、「ふるさと」は、私が生まれ育った日本のことを指しているのではない

はいはい、わかりますよー。魂のふるさとなんでしょ、と思って読んでおりました。

>私のように、過去生で幸せに暮らした国々をひょうひょうと漂っている人間にとっては、今ひとつきちんとこちらの記事にコメント出来ないでいます。

これはとってもおもしろいです。こういう視点はふだんなかなか持てませんからね。なんだか悟った人の視点ですねぇ。
なるほど、あの絵のなかのあなたが風船を手放しているわけだ(笑)。風船をうっかり手放してしまったのではなくて、ご自分から手放したのですね。執着心を手放してしまったわけですね。ひとつの故郷に執着する必要がない! とってもいいですね。ひょいひょいとどこにでもいってしまうことができる。どうりで flyrobin なわけだ(笑)。

>私がヘッジホッグさんやmaribabaさんの年齢になった時に、もう一度、こちらを読ませていただきたいと思います。

といったって、そんなに歳が離れてないでしょ、ひとまわりかな。でもひとまわりを過ぎたころに、こっちがもういなかったりして(あはは)。さて、これは楽しみができました、どんなコメントかなぁ。
  1. 2009/08/23(日) 05:38:38 |
  2. URL |
  3. ヘッジホッグです #hb5ArteM
  4. [ 編集 ]

チロチャン

そうですね、どうすることもできないときってありますね。そういうときは晴れ晴れとしなくてもいいのではないでしょうか。
こんなことをいったら無責任だと怒られるかもしれませんが、人生は舞台なんだなあとつくづく思います。災いに遭遇した役を積極的に演じてみるのもひとつの考えのように思います。どのように悲嘆にくれられるだろうかとうか、どのように悲痛を顔に表現できるだろうかとか...

>今の環境は非常に恵まれていて、そして御自分の居場所をしっかりきづかれていらっしゃるように感じます。

そうねぇ、そういっていただけると嬉しいですね。でもあえて次の言葉を贈りますよぉ。

君看雙眼色 不語似無憂
(君看よ双眼の色 語らざるは憂ひ無きに似たり)

この歳になってチロチャンにこのように再会できて、とても嬉しいですよぉ。
  1. 2009/08/23(日) 05:39:27 |
  2. URL |
  3. ヘッジホッグです #hb5ArteM
  4. [ 編集 ]

ちょっと違う視点かもしれませんが。。

人間に与える自然の力ってすごいなって思います。
ヘッジホッグさんが青空に対して感じたように
私もメキシコで、山、崖、川を見ていると、
その大きさに、壮大な時間の流れを感じ、
数日間悩んでいた心配事が笑えてしまったりします。
景色を見ながら大きく息を吸って、吐きながら
「まっいいか。」って思えたりします。
自然は偉大ですね。
そんな中で生きてる人間は、
そのありがたみにもっと感謝しなければ。。と思います。

*皆さんにご紹介頂き、ありがとうございました。
  1. 2009/08/24(月) 20:52:45 |
  2. URL |
  3. メアリー #22UKzUiM
  4. [ 編集 ]

メアリーさん

>人間に与える自然の力ってすごいなって思います。

まったくその通りですね。青空の場合は、それを見るだけでほんとに晴れ晴れしますからね。まあ、晴ればっかりでは困るんでしょうけど(笑)。

自然の前に立つと、人間のやっていることがほんとに小さく感じられることがありますよね。ましてや宇宙から地球を眺めたら...と思うと。壊れやすい大切な惑星なんでしょうね、地球って。

こういう視点で、文化とは...と考えると、うーん、いろんな思いが浮かんできてきりがありません(笑)。
  1. 2009/08/25(火) 00:26:45 |
  2. URL |
  3. ヘッジホッグです #hb5ArteM
  4. [ 編集 ]

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