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蜷川幸雄ロンドン歌舞伎・十二夜: イギリスの批評記事 4 -- デイリー・テレグラフ紙

イギリス人が日本語の、それも歌舞伎という伝統的な様式化された芝居を3時間半もの長きにわたって鑑賞するという行為は、苦痛とは言わないまでも非常に努力を必要とするものなのかもしれませんね(笑)。かなり好意的に批評してくれていると思う。記者の意図はどうであれ、最後の一文は自分で翻訳していてぼろぼろ涙がこぼれてしまいました。

テレグラフ紙は、中流階級を中心に広く読まれている最大発行部数の新聞で保守・中道といわれています。



テレグラフ紙(Telegraph)
http://www.telegraph.co.uk/culture/culturecritics/dominiccavendish/5061435/Kabuki-Twelfth-Night-at-the-Barbican-review.html
★★★☆☆

歌舞伎・十二夜、バービカン公演レビュー

Kabuki Twelfth Night at the Barbican, review
それは3時間半という非常に長い芝居ではあったが、この尋常ならざるシェイクスピアの翻案はその努力の甲斐があったといえる。

レビュー: Dominic Cavendish
テレグラフ

RSC(ロイヤル シェイクスピア カンパニー)が無謀にもその本拠地をバービカンから移してしまった2002年以来、不気味なものや異国趣味のものなど、あらゆる種類のシェイクスピア作品が演じられてきた。 デボラ・ワーナーは「ジュリアス シーザー」を一群のエキストラで埋め尽くした。カリスト・ビエイトの「マクベス」はヒップで荒削りでスペイン的であった。そして今回、偉大な日本の演出家・蜷川幸雄は、シェイクスピアの演目を、まだ見たこともないような最もヴィジュアルでインターナショナルなリメイクのお手本として、見せてくれた。 歌舞伎の十二夜だ。

松竹大歌舞伎・十二夜は、上演時間3時間半(日本語で上演、英語字幕つき)の長い芝居だ。強い喜怒哀楽に感動したり笑い転げたりすることはあまりないかもしれないが、この長い芝居を見るだけの価値はある。 衣装だけでもビクトリア&アルバート ミュージアムに特別展示するだけの価値はありそうである。 「キモノ」のオンパレードだ。途方もなくだぶだぶのズボンや、わざと滑稽な形をしたシューズに対しても驚嘆してしまう。 4世紀も歴史のある歌舞伎芸術の基本的なことを知りたいけど、わざわざ飛行機代を払って鑑賞しに行く余裕がないのなら、そのすべてがここに用意されているのでじっくりと鑑賞するとよいだろう。

舞台は燃え立つような桜の花で幕が開く。日本風に味付けされた聖歌「エマニュエル」を3人の子供が優美に歌う中、恋を煩った白顔のオーシーノ公爵が登場する。 すべてが絵のように美しい。 そして静かに足音を忍ばせて、これもまた夢幻的なシーンが出現する。原作にはない嵐の場面が追加され、実物大の船が舞台の上を音もなく進み出てくるのである。大波を模した布が船を襲い、船は難破してヴァイオラがイリリアの浜辺に打ち上げられる。

歌舞伎の、まったく風変わりな(女形という)慣習が現れるのはヴァイオラの配役である。異性に扮装して混乱をもたらすこのシェイクスピア悲喜劇を選択したことは、当を得たものとなっている。 「女形」は18世紀にさかのぼる歴史があるが、その女形の最も新しい役者が尾上菊之助(5世)である(菊之助の父・菊五郎はマルヴォーリオとフェステの二役を演じたが、結果は一様ではなかった)。菊之助は、上品な仕草や震えた裏声を使って、非常に様式化された女性らしさを演じていた。 菊之助が、ヴァイオラの男性分身であるシザーリオと兄セバスチャンとして、男性的な言葉の使い方に切り替えたときは、(それまでの女形を鑑賞することが少ししんどかったので)実のところほっとした気分になった。

観衆が好感を抱く演技はほかにもある。たとえば、おどけ者サー・アンドリュー・エーギュチークを演じる中村翫雀や、侍女マライアを演じ金切り声を発する市川亀治郎などの演技だ。 さらには、尾上ジュニアの哀調を帯びた繊細美には特別なものがある。一族の誇りと厳しい伝統に重責を感じていることが伺える。この哀調を帯びた繊細美は、幕が下りた後にも私たちの記憶に残る。 今夜の上演を皆さんが長くてしんどいと感じたのなら、菊之助にとってもそれがどれほどのものであったのかを想像してみてはいかがだろうか。



引用フリー(英文の出典だけは明記してください)


とりあえずレビュー記事の翻訳はこれで最後とします。

テーマ:イギリス生活 - ジャンル:海外情報

  1. 2009/03/31(火) 18:09:27|
  2. 蜷川幸雄ロンドン歌舞伎
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